日本経済新聞によると、三井住友海上火災保険は、2004年までかけて、保険契約の申し込みから保険料の受け取りに関して、ネットを活用したデータ処理の新しいシステムを順次構築する。
保険業界の事務処理は、紙の書類に頼る手作業が大半を占め、契約者から販売代理店、支社、事務センターを経て本社にいたる方法は、数十年変わっておらず、個々の作業においてミスを減らしたり、スピードアップがはかられたものの、収納業務に代表される事務作業の効率化に関しては、ここ数年他の業界と比較しても遅れをとっていた。
当社独自の調査でも、本社単位の文書保有量は従業員一人当たりで、製造業やその他のサービス業と比較して2.5倍〜3.5倍という高い数値で推移している。これらは契約期間の長い保険という商品の特性や、法律的な問題もからんでいるため、一概に事務効率が悪いからという理由でくくってしまうわけにはいかないものの、データの重複打ち出しや出力ミスが頻繁に起こっているのも事実だ。
経営統合が進む損保業界では、人材削減によるリストラが限界を迎えつつある一方、間接業務のアウトソーシングなど、事務効率の改善に手をつけていない部分が残されている。残された人員一人一人の事務作業に抜本的な効率化をはからない限り、充分な統合の効果は得られそうにない。
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