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2003/8/22
出前シュレッダー研究 /前編
                            最近、機密文書のリサイクルサービスとして「出前シュレッダー」というサービスを耳にした方は多いのではないでしょうか?
 環境配慮から機密文書もリサイクルに回す必要が有るといっても、受け手側への信頼の基準が、未だ明確に示されていない現状で、目の前でシュレッダーしてくれ、リサイクルも可能というサービスは、機密保護とリサイクルのニーズを満足させなければならない担当者にとって、実に興味を抱かせるサービスではないかと思います。

 実はこの種のサービスは10数年前から存在しており、私の記憶では、神奈川の梱包関連業者が始めたのが最初だと思われます。その後、東京都のゴミ減量対策が本格化した7〜8年前、折からのリサイクル熱で、古紙原料の市場在庫がピークを迎えた頃、第1次ブームが到来します。

 中でも、運送業で国内最大手の現金輸送事業部が、このサービスを始めたときは、大きな話題となりました。なにせ現金輸送のノウハウでセキュリティ対策も万全、という触れこみでマスコミに取り上げられたことも手伝って、ニーズは相当見込めるだろうという思惑と、トラックに中・大型シュレッダーを搭載するだけで装備が揃う手軽さから、古紙回収業や廃棄物の収集運搬業社が事業を立ち上げるようになりました。

 その後このブームは地方に飛び火したものの、いつのまにか沈静化し、鳴り物入りでスタートした大手運送業者の事業も、その後成功した様子は無く、現在は開店休業状態と聞きます。

 私の知る限り、当時の製紙工場は、古紙原料の品質にうるさく、バインダー・クリップは外して依頼する必要が有り、保存文書のような箱は事前準備に手間を感じるうえ、不純物を確認するため、出前シュレッダーを操作する業者の人間が、内包物の書類をつぶさに見るという、機密文書を委託する側にとっては、かなり違和感のある作業状況でした。
 結果的にアウトソーシングとしては、依頼する側の負担があまりに大きく、長時間拘束されるため、リピーターが極めて少ないという結果になったことが、拡大しなかった理由と分析されます。

 そして昨今、第2次出前シュレッダーブームとも言える現象がおきつつあります。直近では、横浜市の港湾事業や運送業を主に手がける企業が、新事業として立ち上げました。経営状態も良く元気な会社なので、この事業の成功も期待されているようです。
 また、最近の動きで目立つのは、中堅文具メーカーが始めた古紙回収ネットワークと、そこから関係者が独立して立ち上げた組織が、それぞれ全国でFC展開の出前シュレッダーサービスを行っており注目されていますが、いずれもドイツから輸入した中型シュレッダーをトラックに搭載し、全国にフランチャイズ方式で展開したようで、加盟企業のほとんどがローカルな運送会社のようです。

 第1次ブームと比較して変化したことは、前号でご説明した製紙業界の事情を背景に、細かい分別や不純物の除去が厳密でなくなったことと、搭載されたシュレッダーの処理スピードが当時と比較して早まったなどが上げられます。

 ではこの出前シュレッダーのメリット、デメリットはいかなるものなのか?それは次号にて詳しくお伝えすることとします。


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