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2003/10/27
「情報保全費」を勘定科目に新設する
 機密文書の処分を外部委託しているという企業は、そこに発生する費用を、経理上いかなる「勘定科目」で落としているのでしょう?
 9月に行った最新の調査では、一番多いのが「手数料」続いて「外注費」「委託費」という順で、中には「廃棄物処理費」とか、金額が少ない場合は「雑費」として落としているという回答もありました。

 本件をアウトソーシングする目的は大きく分けて「機密保護」と「環境貢献」の2つがあげられるわけですが、「セキュリティ対策のためには、ある程度のコスト負担は当然。」という企業ポリシーのもとで予算計上をしているにも関わらず、勘定科目を旧来の枠に当てはめてしまうと、会計上では何のための高いコストかが不明瞭となってしまいがちです。

 まして、セキュリティ対策というのは何事も起こらないことが最良の結果なわけですから、費用対効果が明確に出し辛いとなると、どうしても予算削減の大きな渦の中に巻き込まれてしまうのですが、その結果リスクは増大し、一旦事故が起これば市場や投資家からそっぽをむかれてしまうことになります。そうはならないために充分な対策にコストをかけて、それを有効な戦略的投資と位置づけることは出来ないものなのでしょうか?

 環境配慮の面では、ISO14001の認証取得が盛んとなって、すでに多くの企業が「環境貢献にあらゆる対策を講じ、それに対する投資も積極的におこなっている」と、市場や投資家に対してアピールしており、その裏づけとして“環境会計”を財務会計とは別に計上、公開することによって、適正な評価を得ています。

 環境配慮がゴーイングコンサーン(企業の継続性)の必須条件となった今、企業が次に取り組むべきは情報セキュリティ対策です。「当社はお客様からお預かりした(企業情報)や(個人情報)は他に流用や漏洩は絶対致しません、しかるべき情報セキュリティ対策を講じ、施策への積極的な投資も行っております。」・・・という企業か否かが、環境同様お客様や投資家から評価選別される時代になったと言えます。

 すでに一部の企業では、ISMS認証基準やBS7799といった情報セキュリティの国際標準規格を取得するのを機に、独自で「情報保全会計」に取り組み、新たな勘定科目、例えば「情報保全費」と銘打ち、情報セキュリティ対策に関連する費用をこの科目で落とすようにする動きを見せ始めています。入退室管理の機器を警備会社からリースする費用や、文書やメディアの機密抹消処理もこれに含まれる訳で、それらの投資額によって、情報セキュリティへの姿勢を証明することは、市場や投資家に対して高い信頼を得る大きな要因となるはずです。

 明るい先が見えない厳しい経営環境が続くなかで、セキュリティ対策という新たな課題は、コスト面で頭の痛い問題だというお話はいたるところで耳にしますが、プレッシャーや課題を、飛躍のためのエネルギーに旨く切り替えることも元気な企業で有り続けるには、必要なのではないでしょうか?


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