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専門家インタビュー
権限の移譲とパートナーシップで成否がわかれるアウトソーシング
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■信頼してすべてを任せられるプロフェッショナル集団を選択する

結城 企業の根幹に入り込むとなると、クライアントのあらゆる情報に日常的に触れることになるかと思うのですが、そこには相応の厳しい守秘義務の契約が存在しているのでしょうか?

石井 良一

石井 総務というのは情報が集まるところですから、極端なことを言えばお客様の社員の方より早く情報を知りえる場合もあるわけです。当然守秘義務契約は機密を扱うということで厳しい内容にならざるを得ないですね。例えば組織、生産、営業上の情報の補償については有形無形に関わらず金額が入ってない、つまり全額補償しなければならないわけです。

司会 契約書以外にユーザーから信頼を得る要素というのもいくつかあるでしょうね。強いて一つあげるとすればどのようなことですか?

石井 情報倫理に関する教育は重要ですね。とにかく個人の認識や価値観というのはまちまちなので、それを共通の認識に変えるには細心の教育以外に手段はありません。ここには大きな費用と時間を掛けて継続させることを心がけていますから、お客様には日々の仕事ぶりから充分にご理解いただけていると自負しています。

結城 それは文書処理に関しても同じだと思います。どれだけ頑強な設備やシステムを持っていても、扱う人間に機密文書を取り扱っている意識が欠落していると必ずと言っていいほど事故が起こる。特に書類となると発生してから最終処理までに複数の人間が携わることになりますから、一人でもその認識が希薄だと大きなリスクを背負うことになります。

司会 逆にアウトソースされる立場から見て、クライアント側の情報管理に対する取り組みに格差というのは見受けられますか?

石井 答えにくい質問ですね(笑)情報管理、環境問題、リスクマネジメントの3つに関してはお金を掛ける企業とそうでない企業ははっきりしています。中途半端な取り組みをするような企業は、本来のアウトソーシングというドラスティックな方法も受け入れない企業風土なのかもしれませんが、弊社のお客様に関して言えば、やるやらないは明確に二分されています。

結城 ただ国際標準規格の導入や情報管理に関する法律が制定される事業環境のなかで、文書管理全般の見直しは各社避けられない方向にあると思うのですが、そういった視点で何か変化を感ずるところはないですか?

石井 お客様が使用する文書を見る限り、ここ二〜三年でinternal use onlyとかopenというマークが入った書類を数多く見受けるようになりました。そういった意味では文書管理規定はかなり整備されてきたことを感じます。ただし、これは文書に限ったことではないですが、作成の段階で規定そのものを完成させることに目標がすりかわってしまうケースが往々にしてあります。立派なものはできるのですが、まったく業務の実態にそぐわないために、なしくずし的に風化してしまうのを目の当たりにすることもしばしばありますね。

結城 寛

結城 そういった場面を複数経験されているというのはなかなか貴重な人材ですね(笑)確かに文書の処分一つ取っても、これはシュレッダー、これはAという業者、これはビル管理の清掃などということを規定してしまうと、運用する側は1枚1枚の書類にそんな判断をくだしていられるかということになって、これに量的な問題も加わると実践不能に陥ってしまう。

石井 これはあくまで私見なのですが、何段階にも機密のレベルを決めることは必要かもしれませんが、それに関する取り扱いは大きな流れでせいぜい2つの方法までですね。個々についてベストな方法をいくつも用意して、結果、運用がおぼつかなくなるくらいなら、包括的に見て最良の方法を外部委託するほうがより効果的だしミスも起こらない。そうすれば、規定のあるなしに関わらず、非常に円滑で情報保護にも優れた体制を維持できるのではないでしょうか。

結城 そういったことは環境対策の面でも言えますね。富士ゼロックス関連各社の環境に対する取り組みで特筆すべきところは、とかく生産サイトにかたよりがちな環境数値目標を事務方を含めてグループ全体に設定していることだと思うのです。そういったノウハウを移植して欲しいというニーズは多いにあるだろうし、強力な武器ですね。

石井 環境対策に限らず、富士ゼロックスおよび関連会社の持っている様々なノウハウに期待して導入されるケースは見受けられます。特に社史が浅くバックオフィスのインフラがまだ十分に整備されていないお客様ではそういった意図を強く感じるのですが、実はこのケースがコストパフォーマンスを最大限に発揮する選択なのです。今後は持っている底力とでも申しますか、いわゆる総合的なポテンシャルもクライアントがアウトソーサーを選定する上で重要なファクターになってくると思いますね。

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